エッセーの投稿

  • 高齢者はなぜエアコンを使わない

    高齢者はなぜエアコンを使わない

     今年の夏はとりわけ熱い。7月だというのに熱帯夜が続いている。訪問診療先に行くのも大変だ。訪問診療の軽自動車に乗っても、車内冷房も効かないほどの暑さだ。  そして一人暮らしの高齢者の家の玄関を入り部屋…

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  • 無熱性肺炎

    無熱性肺炎

     初診外来をしていると、いろいろな急患にお目にかかる。先週も94歳の女性が息子さんに付き添われて車いすでやってきた。3日ほどせきが止まらないという。熱はない。胸部レントゲンを撮ると右下肺野に淡い浸潤影…

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  • 合計特殊出生率と宗教とナショナリズム

    合計特殊出生率と宗教とナショナリズム

     日本の合計特殊出生率は2024年1.15で、過去最低を更新した。また、出生数は統計史上初めて70万人を割り込んだ。  しかし世界を見渡すと、イスラエルのように合計特殊出生率2.28の国もある。何がそ…

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  • 職場ストレスと休職診断書

    職場ストレスと休職診断書

     外来をしていると、職場ストレスが背景にある不定愁訴の患者が時々やってくる。比較的若い人でいかにも真面目そうな人が多い。訴えは頭痛、肩こり、胃の不調、動悸、息切れ、倦怠感、不眠などさまざまだ。  一通…

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  • 大草原の小さな家

    大草原の小さな家

     NHK4Kで、「大草原の小さな家」が再放送されている。このテレビドラマは1970年代後半から1980年代前半にかけて米国で製作され、大ヒットしたドラマだ。作者は女流作家のローラ・インガルス・ワイルダ…

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  •  身体拘束に人権法に基づく基本法を!

     身体拘束に人権法に基づく基本法を!

     2024年診療報酬で身体拘束最小化に関する報酬が導入され、2025年6月から実施されている。身体拘束最小化する体制整備をしなかった場合に入院基本料から40点の減算とするというものだ。すでに身体拘束に…

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  • キングスカウンティ病院のER

    キングスカウンティ病院のER

     米国の3大ER(救命救急部)といえば、ブルックリンのキングスカウンテイ、シカゴのクックカウンテイ、ロスのLAカウンテイのそれぞれの病院のERだろう。マイケル・クライントン作のテレビドラマでおなじみの…

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  • メネ・メネ・テケル・ウパルシン

    メネ・メネ・テケル・ウパルシン

     先週の衣笠病院の朝の礼拝で聞いた旧約聖書のダニエル書5章のアラビア語の呪文、「メネ・メネ・テケル・ウパルシン」を聞いて以来、この呪文が頭の中に住み着いてしまった。「メネ・メネ・テケル・ウパルシン」(…

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  • 英国下院で安楽死法が可決

    英国下院で安楽死法が可決

     英国下院は2025年6月20日、終末期患者の「安楽死」を認める法案を賛成多数で可決した。賛成314票、反対291票だった。今後、上院での審議で内容が修正される可能性もあるが、スイスやオランダ、カナダ…

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  • 身体拘束に関する基本法

    身体拘束に関する基本法

     日本では身体拘束を規定する法律としては、介護保険法や精神障害者保健福祉法がある。最近、医療においては厚労省の「身体拘束ゼロの手引き」が出たが、法律にはなっていない。これらの法律や手引きでは「切迫性」…

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