
ハルシオン(Halcyon)は、睡眠導入剤で一般名はトリアゾラムだ。商品名のハルシオンの名前の由来は、ギリシャ神話に登場するカワセミ(halcyon bird)に由来している。この鳥が空を飛ぶとき、嵐が止んで海が穏やかになると信じられていた。そこから、カワセミは穏やかで平和な日々を意味するようになった。ハルシオンと言う名前には愛着がある。これが一般名になってトリアゾラムになったらなんだか味気なくなった。
商品名の命名も工夫がされている。バッファリン(Bufferin)はアスピリンが主成分だ。アスピリンはアセチルサリチル酸で鎮痛効果があるが酸性なので、胃症状を引き起こす。このため酸化マグネシウムで中和したのがバッファリンだ。バッファリンはバッファード・アスピリンの略だ。つまり緩衝されたアスピリンと言う意味だ。
おかしな命名の仕方もある。カチーフはビタミンKの商品名だ。KatifはVitaKの逆さ読みだ。
糖尿病薬のジャヌビア(Januvia)は「January(新しい始まり)」+「via(道)」の造語。糖尿病治療の“新たな道”を象徴してるとも言われる。
最近のヒット作の糖尿病薬の「マンジャロ(Mounjaro)」という名前、ちょっと神秘的で力強い響きがある。実はこの名前、アフリカ最高峰の山「キリマンジャロ(Mount Kilimanjaro)」にちなんで名付けられたと言われている。製薬会社のイーライリリー(Eli Lilly)は、2型糖尿病治療薬としての新たな高みを目指すという意味を込めて、「マンジャロ」という名前を選んだといる。つまり、糖尿病治療の“山の頂”を目指す、という象徴的なネーミングだ。
