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往診代行サービス


 著者が勤務する横須賀市の衣笠病院は2025年6月から在宅療養支援病院となった。院内の在宅医療センターで緊急時の連絡体制及び24時間往診できる体制を整えた。この体制の構築が大変だ。特に訪問診療医のリクルートがままならない。なんとか医師がきてくれたが、それまでは訪問診療医を募集してもなかなか三浦半島の先端の横須賀市まで来てくれる医師が見つけられなかった。

 著者も自宅のある横浜市から衣笠病院に通っている。しかし衣笠病院まで1時間以上も通勤に時間がかかる。もう一つのネックは休日夜間の緊急往診対応のオンコール体制だ。このオンコール体制が医師には不人気で、訪問診療医が集まらなかった。

 さてこんな急な往診の悩みを解決してくれるのが往診代行サービスだ。医療機関や自治体と契約して休日夜間の緊急往診に対応してくれる。たとえばファストドクターでは全国3500名の契約医師が24時間365日体制で在宅の患者から連絡をうけ、コール・トリアージを行い、30分以内に患者宅へ駆け付ける。そしてその結果を医療機関に連絡してくれる。ファストドクターはコロナ渦において、在宅療養を行うコロナ患者の往診でも大活躍した。

 しかしこうした往診専門クリニックが、前回2024年の診療報酬改定を検討していた中医協総会でやり玉にあがった。中医協では、「定期の訪問診療は行わず月間100回以上の往診を行う医療機関」、すなわち往診専門クリニックが議論となった。往診専門クリニックからの往診は夜間・休日・深夜に多く、また往診が初診であることが多く、そして翌日の医療機関受診が少ないなどの特徴がある。つまり往診専門クリニックでは、かかりつけの患者ではない患者への休日夜間の往診、それも比較的軽症の患者の往診が頻繁に行われていることか明らかとなったのだ。このため2024年改定で、その往診料が大幅に引き下げらた。

 今回は前回に引き続き、こうした往診専門クリニックからの往診代行サービスが再度、やり玉にあがった。それは往診専門クリニックからの往診が行う医師は、事前に当該の保険医療機関の訪問診療を担当する医師と面談し、診療方針等を共有することを条件とすることになったのだ。こうした事前面談をしていない医師は往診ができないことになった

 ということは事実上、ほぼ往診専門クリニックからの往診が不可ということになる。現状ではこうした往診代行サービスを利用している医療機関は機能強化型の在宅療養支援病院・診療所では10%以上にものぼる。このため今回の改定で、これらの医療機関にかなりの影響が出るのは間違いない。この要件の詳細を通知で早く知りたいところだ。

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