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死亡最頻年齢


70歳をすぎたころから新聞のお悔み欄の死亡年齢に目が行くようになった。以前、お年寄りが「新聞で最初に読むのがお悔み欄」と言っているのを聞いて、「へ~、年を取るとそんなものなのか?」と思っていたが、いつの間にか自分もそんな年になった。人はいくつまで生きるのだろう。

どうも「平均余命」は、人生の長さの実感として短いような気がする?実は平均寿命よりより実感に近い値が「死亡年齢最頻値」という値だ。年齢ごとの死亡頻度をみたグラフだ(図表)。この2017年の数字をみると、その年の男性の平均寿命が81.09歳に対して、死亡年齢最頻値は87歳だ。女性は平均寿命87.26歳に対して死亡年齢最頻値は93歳だ。死亡年齢最頻値のほうが実感に合っている。何事も平均値だけでは分からない。その頻度を見ることが大事だ。

図でみると、男の死亡年齢最頻値の87歳は満で数えれば米寿、女は93歳は卒寿の3年後だ。この死者の山のピークは見上げるほどの高い。しかもこの死亡数のピークは年ごとに遠のくのだ。2024年の現在では、男女ともその年齢はあがり、死亡数のピークも高くなっているはずだ。死者の山の登山者にとって、登れば登るほど、ピークがどんどん高くなり、そして遠のく。 前項で「生命表の断崖」のお話をした。70歳を超えると生存率がジェットコースターのように落ちていくという話だった。死亡年齢最頻値でみると同じ生命表が上りのジェットコースターのように見える。ジェットコースターで落ちたり登ったりと忙しい年代だ

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