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衣笠ホームと外山義さん


 日本医療伝道会の特別養護老人ホーム「衣笠ホーム」は、ユニット方式(個室グループユニット型)を採用している。もともとは衣笠病院の敷地内にあった衣笠ホームは、2003年に横須賀市芦名へ移転新築する。それを契機に、神奈川県ではじめてのユニット方式を採用する。ユニット方式は9つの個室と中央のリビングからなる設計方式だ。このユニット方式を発案したのが建築家の外山義(とやまただし)さんだ。

 外山さんと私は30年以上も前、新宿にある国立医療・病院管理研究所で一緒に働いたことがある。当時、外山さんはスウェーデンの留学から日本に帰国して、高齢者施設の研究を行っていた。外山さんのお父さんは牧師さんで、外山さんも敬虔なクリスチャンだった。外山さんと私は年が近かったこともあり、研究所ではよく一緒に話をしたり、研究も一緒に行った。

 そうした外山さんのライフワークがスウェーデンの高齢者施設から学んだ、ユニット型の設計だ。この設計は、外山さんの以下の研究結果から提唱された。これまでの日本の高齢者施設は大部屋方式だった。大部屋のお年寄りを観察すると、大部屋のなかではお互いのプライバシーを気にして積極的に会話をすることがない。そして各自が自分のスペースに引きこもるようになる。ところが個室化すると、共有のリビングスペースに入居者が自然に集まり、大部屋よりも入居者のコミュニケーションが活発になる。この研究結果が厚労省を動かし、現在のユニット型のグループホームや特養、老健の基準にすることに繋がった。

 この外山さんが特に愛し、その建築思想やケアの理念の根底にあったとされる聖句がある。「愛は寛容であり、愛は情深い。また、ねたむことをしない。愛は高ぶらない、誇らない、不作法をしない、自分の利益を求めない、苛立たない、恨みを抱かない。不義を喜ばないで真理を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてを耐える。愛はいつまでも絶えることがない。」(コリントの信徒への手紙一 13章4〜8節(新317p)。

 しかし外山義さんは、2002年になんと突然、お亡くなりになる。52歳の若さだった。

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