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YMCAと医療


 YMCAとは、Young Men’s Christian Association(キリスト教青年会)のことだ。1844年にロンドンで誕生した。YMCAはキリスト教精神に基づいて、「身体・精神・霊性のバランスの取れた成長」を目指す国際NGO だ。 現在は 120か国以上、6,400万人以上が参加し、スポーツ、教育、福祉、青少年支援など幅広い活動を行っている。

 ロンドンで誕生した世界最初のYMCAは、当時の英国の産業革命下の都市部の青年労働者を支えるための社会運動として始まった。ロンドンの若い布地商のジョージ・ウイリアムズと12名の仲間から始まった。最初は祈祷会や聖書の勉強会でスタートした。産業革命で都市労働人口が急増し、都市環境が悪化するなか図書室や休憩室を若者たちに提供し支えた。

 こうした社会運動が英国全土に広がり、それが1851年のロンドン万博を契機に、大西洋を渡って米国に伝わり、ボストンYMCAが作られる。米国でも図書室、講義、体育施設を整備し、都市の若者支援の中心となる。米国YMCAはバスケットボール、バレーボール、水泳指導法を開発したことでも有名だ。

 この米国YMCAは太平洋を渡り、日本にもやってくる。日本のYMCAは1880年に東京で創立された。早くから大学生や医学生を中心とした活動を展開した。その中で、医学生YMCAは、医療とキリスト教を結びつける役割を果たした。具体的には1938年、医学生YMCAに属する医学生が京都に集まり、戦地中国の病苦に悩む人々のために医療伝道を志し、診療班を派遣した。これが日本キリスト者医科連盟(JCMA)の結成につながる。

 実は著者が勤務する衣笠病院の歴史にもこのJCMAがでてくる。JCMAは第二次世界大戦の間、活動を一時停止していた。それが戦後まもなく復活する。その最初の総会が開かれたのが、衣笠病院で1949年のことだ。1947年に日本基督教団により創設まもない衣笠病院で、JCMAが 「福音と医療」をテーマに総会を開き、その活動を再開する。このため今でも衣笠病院とYMCAとの交流は続いている。昨年には上海YMCAから医師たちが衣笠病院を見学に訪れた。

 さて日本で「青年」という言葉は、 YMCA の Young Menを訳すために作られた。訳したのは日本YMCA創立者の一人である小崎弘道(おざき ひろみち)だ。

 「青年老いやすく学成り難し」だが、いつまでもYMCAの青年のように学ぶ心は忘れたくないものだ。

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