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OTC類似薬と特別料金


 2026年5月29日、健康保険法の改正案が国会で成立した。この改正により、OTC医薬品(OTC)と効能が同じか似ている医療用医薬品(OTC類似薬)の自己負担分が変わることになった。具体的には通常の窓口負担1~3割などに加え、薬剤費の4分の1(25%)が「特別料金(保険外療養)」として上乗せされる。こうした保険外負担で、場合によっては薬の自己負担が5割近くなる場合もでてくる。

 特別料金の目的は、現状ではOTC類似薬は処方薬なので自己負担分は1~3割ですむ。ところが同じ成分で効能も同じOTCをドラッグストアで購入すると全額自己負担になる。こうした給付と負担の不均衡の差を埋めることがこの制度の目的だ。

 対象となるOTC類似薬は鼻炎、解熱鎮痛薬、保湿剤など77成分1100品目にもおよぶ。ただOTCと医療用のOTC類似薬では、有効成分が同じでも、効能に違いがあることがある。一般に医療用のOTC類似薬のほうが、OTCよりも効能の範囲が広い。

 たとえば花粉症の鼻炎で処方される医療用のアレジオン錠の効能はOTCと同じだ。このため若者にOTC類似薬を処方すると特別料金がかかる。一方、OTC類似薬の効能には気管支喘息や皮膚そう痒症も含まれている。しかしOTCのアレジオン20にはそれがない。時々在宅で、老人性皮膚そう痒症でかきむしり傷を作っているお年寄りに医療用のアレジオンの処方をすることがある。この場合にはOTCにはない効能なので特別料金はかからない。

 一方、関節リウマチの患者に鎮痛剤のイブプロフェンの場合を見てみよう。医療用の効能は関節リウマチ、関節痛及び関節炎、月経困難症だ。これに対してOTCでも、関節痛、生理痛となっている。これだと関節リウマチのお年寄りにイブプロフェンを処方すると、自動的に特別料金がかかることになる。関節リウマチでは長期にわたってイブプロフェンを処方すると、特別料金もばかにならない額になる。こうした患者には配慮が必要だ。

 また特別料金がはじめから免除されている患者もいる。それは18歳以下の子供、がんや指定難病の患者、低所得者の患者、そして入院患者だ。入院患者が免除になる理由は以下だ。外来患者はOTC類似薬で特別料金がかかれば、自分でドラッグストアに行って、OTCを選択することができる。しかし入院中の患者はそうはいかない。このため特別料金は免除される。こうしたことを検討するOTC類似薬の検討会が始まった。

 著者もそのメンバーの一人だ。検討会ではこうしたルールの詳細を検討することになる。

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