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杖はどちらで持つの?


 今日、衣笠病院で外来をしていたら、左膝関節症で初めて杖をもって歩いてこられた高齢女性がいた。「初めて杖を持ちました。杖はどちらの手でもつのですか?」と聞かれた。思わず、「左ひざに痛みがあるのなら左手でしょうね」と言いかけた。これは誤りだ。杖は原則、健康ながわ(健側)の手で持つ。つまり左ひざの痛みがあれば右手で持つのだ。

 なぜ健側の手で持つのか?理由は以下だ。杖を健側でつくのは、健側の下肢と杖と、体幹の支持筋肉が三位一体になって患側の荷重を軽減するためだ。患側に杖をついて荷重を減らそうとすると、手や杖に余計な負荷がかかってバランスを崩して転倒の危険性がある。

 杖は健側に持つのが原則だ。健側を支える支柱として杖が働いて、健側に全面的に荷重をかけて、患側の負荷を下げるのが杖の役割だ。「ケイン(杖)はけんそくに」と覚える。

 

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