
1980年代後半、ニューヨークに留学していた頃によく通ったのが、マンハッタンのカナル・ストリートを挟んで隣り合うチャイナタウンとリトルイタリーだ。チャイナタウンでは中華料理、リトルイタリーではピザが定番だった。
当時、チャイナタウンでは「チャイニーズ・レストラン・シンドローム」が話題になっていた。味の素などの旨味成分である「グルタミン酸ナトリウム」を摂取した後に、頭痛が起きるという現象だ。
グルタミン酸は、私たちの脳にとってなくてはならないアミノ酸であり、脳の中では神経の情報を伝える「興奮性神経伝達物質」として働く。そのため、大量のグルタミン酸が体内に入ることで脳の神経が過剰に刺激・興奮させられることが疑われたのだ。しかし、その後の厳密な臨床試験によって因果関係は否定され、味の素の疑いも晴れている。
一方のリトルイタリーで食べるピザは本当においしかった。ふかふかの生地に、さまざまなキノコのトッピング。このピザにまつわるユニークな症候群もある。「ピザ職人指(Pizza Finger)」だ。熱々のピザを急いで食べたり、焼き立ての生地を素手で頻繁に扱ったりする職人やピザ好きに見られる症状である。口の中をやけどするだけでなく、指先に繰り返しの熱刺激が加わることで、皮膚が硬くなったり変色したりする珍しい職業病だ。
さて、ピザのお供といえば、やっぱり「コーラ」だ。 実は、コカ・コーラもペプシコーラも、開発者はどちらも薬剤師だったことをご存じだろうか?
- コカ・コーラ 米国ジョージア州アトランタの薬剤師ジョン・ペムバートンが、疲労回復の薬酒(フレンチ・コカ・ワイン)として開発した。
- ペプシコーラ ノースカロライナ州ニューバーンの薬剤師ケイレブ・ブラッドハムが、消化を助ける酵素「ペプシン」入りの胃腸薬(消化飲料)として開発した。
いずれも当時はドラッグストアの店頭で売られていたものだ。 子供のころ、初めてコーラを飲んだときに「なんだか薬みたいな味がする」と感じた記憶があるが、その直感は実に正しかったのだ。
