
クスリのネーミングには各企業が工夫を凝らしている。少しでも名前を覚えてほしいからだ。なかでも便秘薬にその傑作が多い。
スルーラックは「スルー(通過する)+ラック(楽・Lucky)」というそのものずばりのネーミングだ。「お腹の中のものを華麗にスルーして、気分爽快ラクになる!」という開発者の熱いメッセージが、そのまま商品名になっている。
ヨーデルのネーミングは 公式には「スイスのヨーデルの爽やかな感じ」などと説明されている。けれど医療現場では「(便が)よう出る」という、あまりにもストレートな大阪のおっちゃん的ダジャレとして語り継がれている。
滴下型便秘薬のラキソベロンは、冒頭のLax-(ラクス)は英語で「下剤」を意味するラクサテイブから来ている。ただ医療現場では「 くそが楽にべろんと出るから」と伝えられている。
整腸剤のガスピタンはお腹のガスを「ピタッと」止めるからガスピタンと呼ばれている。この薬の名前を初めて聞いたとき、本気でギャグのネーミングだと思った大人が続出した。大阪の小林製薬の圧倒的なネーミングセンスが光る傑作だ。
鎮痛剤のカロナールは「熱や痛みが軽くなる(軽ろなーる)」から命名された。先日、外来で患者さんにカロナールを処方した時、「カロナールを飲むときには、『痛みがかろな~る』と言いましょうね」と言ったら、「なるほどです、言ってみます」と言われた。
アモバン(睡眠薬)は、 不眠症の治療などで使われる有名な薬だ。欧米ではイモバンと呼ばれている。日本でこのネーミングがヒットしたのは、「アモバンを飲むと眠くなる 『あー、もう晩(ばん)だ !』、アモバン」という、あまりにも強引な日本語の語呂合わせのおかげではないかと言われている。イモバンではこのこじつけができない。
