
米国アリゾナ・フェニックス、ストライカー・サステナビリテイ・ソリューション社
最近の医療機器には高額なデイスポ製品があふれている。いわゆる単回使用医療機器(SUD:Single Use Device)だ。たとえば心房細動の高周波アビュレーションの時に使う生理電極(EP)カテーテルなどは1本20万円もする。それを1回のアビュレーションで4~5本使う。つまり100万円を1回でポイ捨てする。
このため、もったいないので院内滅菌した上で、再使用する医療機関がでてくる。しかしSUDは添付文書上であくまでも1回で使い捨てが決められた医療機器だ。
実は米国でも2000年まではこうしたSUDの院内再使用が横行していた。これをFDAが承認基準を新たにして、SUDでも専用の工場でオリジナル品と同じ程度までに性能を復元した製品を認可することにした。それが再製造単回医療機器(Remanufuctured SUD:R-SUD)だ。米国ではこのR-SUDをデバイスジェネリックと呼んでよく使われている。性能は同じでお値段半分というわけで、高騰する医療機器対策にうってつけだ。
さて我々は2015年の厚生労働科学研究の一環で、実際に再製造を行っている米国アリゾナのストライカー・サステナビリテイ・ソリューション社を見学してきた。見学した工場では、病院から回収されてきた使用済のEPカテーテルを洗浄し、製品によっては分解し、部品交換を行い、性能試験を行っていた(写真)。
この現場を見て、やはり使用済のSUDを再使用するからには専門工場においてここまで行うべきと感じた。米国では再製造品には以下のような品目があり頻用されている。EPカテーテル、超音波カテーテル、超音波メス、血管接合器(シーリングデバイス)、トロッカー、深部静脈血栓防止スリーブ、パルスオキシメーター等。
この厚生科学研究に基づいて、2017年に日本でも単回使用医療材料の再製造の道が省令改正で開かれ、再製造品の償還価格もオリジナル品の7割と設定された。さらに2024年診療改定では再製造単回医療材料使用体制加算の設定も行われた。2023年10月現在、承認された再製造品はEPカテーテル、トロッカーをはじめ10製品である。ぜひ国内での活用をお願いしたいものだ。
R-SUDについて詳細を知りたい方は「単回医療機器再製造推進協議会」のホームページをご覧ください。単回医療機器再製造推進協議会
