エッセーの投稿

リハビリ1単位は20分


 今日、衣笠ろうけんから訪問リハビリで、患者さんのお宅まで理学療法士さんと一緒に伺った。お宅に行って、ケアマネさんや家族とサービス担当者会議も行った。その帰りの車の中で、素朴な疑問がわいた。「リハビリの1単位は20分と決められているけど、なぜ20分なの?」と言う疑問だ。理学療法士さんによると「1単位20分はちょっと短い」という。とくに院外に出て行う屋外リハでは60分ぐらいかかってしまうという。

 さて1単位を20分に決めたのは2002年の診療報酬改定で疾病別リハビリが導入されたときだ。この単位制度は、医療機関がリハビリサービスを提供する際の標準化と、診療報酬の適正な算定を目的として決められた。

 なぜ20分かというと、それは、患者さんへの個別療法として、効果的かつ現実的な時間配分を考慮した結果だという。20分の中に、患者の状態を評価する時間、実際の訓練時間、記録や次回の計画を立てる時間が含まれている。これだけ詰め込むには20分はちょっと短いのではと思う。

 実は先ほどの屋外リハやリンパマッサージなどのリハビリは、この単位数を越えて行われていることから、来年の診療報酬改定では、単位を増やして評価することが検討されている。

 一方、1単位20分と言う縛りで、20分以下のちょっとしたADL援助のポイント・オブ・ケアが評価されないという欠点もある。たとえば活動(アクティビティ)の提案、ポジショニング、離床しての体重測定、環境調整、入浴方法の検討・指導、自主練習の個別指導などだ。こうしたちょこっとリハビリも評価する仕組みはないのか?

 さて20分というのは確かに日常生活の中でも、イベントのひとかたまりとして、20分単位はよくあることだ。朝起きて大急ぎで顔を洗って、歯を磨いて、ひげをそって朝ごはんを食べて、着替えるくらいの時間だ。またお風呂に入ってからだを洗って、ゆっくり湯船につかって出るまでの時間、朝の通勤で近くの駅まで歩いて行くのにちょうどいい運動の時間、衣笠病院の朝のチャペルで讃美歌をうたって、チャプレンの説教を聞く時間などは大体20分だ。

 でも1単位20分というのは、リハビリのプロセスを評価することだ。しかし時代は変わりつつある。今やリハビリのアウトカム評価の時代だ。どんなに単位を積み上げても、リハビリの効果を示すFIMで効果が出なければ無意味だ。

 リハビリも単位で評価する時代からアウトカム評価の時代へと移り変わっている。