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レポートの書き方


 大学で教えていたころ、1年生にレポートの書き方の入門講義をしていた。その時、ヘミングウェイのルールを最初に教えていた。

 アーネスト・ヘミングウェイ(写真)はカンザスシティ・スターという新聞社の記者をしていた。この新聞社のスタイルブックにあったのが以下の鉄則であった。

1.短いセンテンスを使え。

2.はじめの方のパラグラフは短くせよ。

3.キビキビした言葉を使え。

4.否定文でなく肯定文にせよ。

 具体的に言うと、1センテンスは30字~60字程度、絶対に3行にわたらない。「・・・であるが、・・・」の順接の「が」は死んでも絶対に使わない。「そして」「それから」「ところで」「さて」などの接続詞も極力使わない。「いずれにしても」は絶対に使わない。

 専門用語で必要な用語には解説や定義をつける。カタカナ用語の使いすぎに気をつける。馴染みのないカタカナ用語には日本語訳を併記する。漢字とひらがらなのバランスを。漢字が多いと画面が暗くなる。

 中見出しをつける。1ページまるまるテキストで埋めない。項目と項目の間は1行あける。パラグラフを変えるときは1文字下げ、「インデンテーション」を置く。最近の学生はインデンテーションを置かない。なぜだろう?ネットでもインデンテーションなしが目立つ。

 フリルのついた形容詞など使わない。体語だけで質実剛健に。英語で言うlean and mean  だ。二重否定など死んでも使わない。

 そして最後に、細かいルールと大きなルールを。表の説明は表の上に、図の説明は図の下に。「ヒョウは上に、ZOOは下に」と覚える。ネットから引用するときには閲覧日をつける。

 そしてレポートは読み手の興味を引く「ストーリー」を大事にして、「起承転結の流れでテンポよく」だ。

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