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横須賀線


 横須賀線で毎日、衣笠まで通勤している。横須賀線は、東京から三浦半島の先端の久里浜まで運行している。しかし横須賀線の正式の路線は大船駅から久里浜駅間23.9kmだ。大船から軍港の横須賀まで開通したのは明治22年、1889年のことだ。鉄道唱歌の10番で歌われている。

「汽車より逗子をながめつつ、はや横須賀に着きにけり。見よやドックに集まりしわが軍艦の壮大を」。

 横須賀から久里浜まで延伸するのは昭和19年、1944年の戦時中ことだ。戦時中に開通したのはもちろん軍のためで、今でも単線だ。横須賀線は三浦半島の背骨である三浦丘陵を縫って走るのでトンネルだらけだ。横須賀と著者が降りる衣笠に行く間には2Kmもある横須賀トンネルがある。東京湾沿いの横須賀を出るときは雨模様の天気が、横須賀トンネルを出て相模湾側に出ると突然晴れたりして、天気がらっと変わる。

 夏のころの横須賀線が好きだ。逗子、鎌倉の間の緑のトンネル中を走る。ただ困るのは、ときどき雨風で木の枝が架線に垂れ下がると、横須賀線が止まってしまうことだ。こんなときも横須賀線の4人掛けのボックスシートに1人で座って、緑に染まりながら本を読んで待っている。さながら緑の書斎という趣だ。

 

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