
昨日の衣笠病院の朝の礼拝のテーマは「断食」だった。ルカによる福音書5章33~39節では、断食についての問答が描かれている。この中で、人々はイエスに、「なぜあなたの弟子たちは断食をしないのか」と問いかける。イエスは、断食の行為そのものよりも「時と状況のふさわしさ」を強調した。
イエスは「花婿」にたとえた。弟子たちが花婿と共にいる今は祝いの時であり、断食の時ではないと言う。その後にあの有名な、「新しいぶどう酒は新しい革袋に入れる」のたとえが出てくる。「新しい価値観や教え」が古い習慣と調和しなければ、新しい革袋を用意する。このように、イエスは形式的な行為よりも、信仰の本質や新しい時代の理解が重要であることを示している。なかなか柔軟な考えだ。
断食は様々な宗教や文化の中に現れる。イスラム教の断食月のラマダンが有名だ。2025年は2月28日(金)から3月29日(土)までの30日だ。この期間中、日の出から日没まで飲食を行い、精神的な浄化と神への献身を目指す。しかし日没後には断食が解禁される。
いちどインドネシアのジャカルタにJICAの専門家派遣で、ラマダンの最中に旅したことがある。ジャカルタの保健省を会議で訪れたときは、一切、飲み物も出てこなかった。2月と言っても30度Cを超えるジャカルタは暑い。その中での断食は大変だと思った。でも夕方、報告に日本大使館を訪問したときには、係の方がのどをからした我々に冷たいビンタンビールを出してくれた。
ラマダンの夜のビールが何よりも美味しかった。
