エッセーの投稿

ソーシャル・セキュリティ・ナンバー


 米国では社会保障番号(ソーシャル・セキュリテイ・ナンバー)が国民共通番号として生活に無くてはならないものとなっている。

 著者は1980年代の終わりに米国のニューヨークの大学病院に留学した経験がある。留学に出かける前に先輩から、米国に行ったら「まず銀行口座を開設すること」と言われた。銀行の窓口で「オープンアカウント、プリーズ」と言えば良いと教えられた。

 そこでニューヨークに着くなりマンハッタンの銀行に行って窓口で口座開設をしようとしたところ、「ソーシャル・セキュリテイ・ナンバーを見せろ」という。番号がないと口座開設はダメだという。「え~、そんなこと聞いていなかった」と思ったが、慣れないマンハッタンで地図を片手になんとか社会保険庁のオフィスにたどり着いてパスポートと滞在ビザを示して番号を発給してもらった。

 ソーシャル・セキュリテイ・ナンバーは9桁の番号で、外国人にも附番される永久番号だ。ただ番号カードはベラぺラの紙きれだ。しかしこの番号がないとクレジットカードも運転免許証も取れない。

 このように留学当初は英語も良くわからず失敗続きの連続だった。もう一つの失敗談を。留学ではアパートを借りて家族を呼び寄せた。そして家内と幼い子供3人をジョン・F・ケネディ空港まで迎えに行って、マンハッタンのお隣のニュージャージ州のフォートリーに小さなアパートを借りた。そして家族を連れて空港からアパートに直接向かった。そしてアパートのドアを開けてビックリした。家具がまったくないのだ!確か家具付きのアパートを不動産屋さんに頼んだはずだ。

 あわてて不動産屋に電話すると、家具の搬入は明日になるという。着いたのがすでに夕方でとても今からホテルを探す気にもなれない。8月の終わりだったので何にもないがらんとした部屋の片隅に5人が身を寄せ合って、テイクアウトの中華料理を食べた。家内からは怒られたが、子供たちはキャンプのようだとはしゃいでいた。今から思えば懐かしい思い出だ。