
外来で2年前に役職定年になったという男性が来られた。そのころから心身の不調が増えてきて外来を訪れる頻度が増えた。今日も、めまいがする、あれこれ気になって寝付けないと言う。港区の大企業に勤めている男性で、役職定年になって部下もいなくなり、元部下が上司になり、部署替えもあり、給料も下がり、横須賀から2時間かけて職場に向かうのがつらくなったという。典型的な役職定年症候群だ。
「もうそろそろ勤めを辞めて、横須賀の地元に帰ってきてはどうですか?自宅の近くで短時間でもできるアルバイトでもさがしたら?」と言うと、「もうすこし今の職場で頑張りたい」と言う。
企業戦士だった男性は、まだまだ職場に未練があるようだ。それに地元にそもそも居場所がなさそうだ。勤めに行かず毎日家にいると奥さんからうるさがられて、結局、毎日が図書館通いになるのだろう。
別の男性は、すっぱり気分を変えて定年後の生活に慣れるのに5年もかかったという人もいた。役職定年2年生はまだまだ序の口かもしれない。サラリーマンの嘆きを聞くのも外来医の役目だ。
