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横須賀基督教社会館


 横須賀基督教社会館(社会館)は横須賀市の横須賀線田浦駅近くにある。社会館は、第二次世界大戦後の混乱期に、アメリカのメソジスト教会から派遣された社会事業家であるエヴェレット・W・トンプソン牧師によって設立された。

 トンプソン牧師は、戦前に米国のメソジスト教会から日本に派遣されていた。しかし戦争の激化により一度帰国。その間に社会福祉を学び、戦後の日本で必要になる支援に備えていた。

 そして戦後まもなくの1948年2月、日本基督教団から派遣された杉浦義人牧師とともに、横須賀市の田浦地区で社会館の活動を開始した。事業は多岐にわたった。子ども家庭福祉から高齢者福祉まで、多様な福祉サービスを提供し、地域住民の生活を総合的に支援した。また当初は地域の若者たちの要望に応えて聖書研究会が開かれ、これが現在の田浦教会へと発展した。 

 1952年、社会館は社会福祉法人として正式に認可され、横須賀市田浦町を中心に地域福祉事業の拠点となる。1957年、トンプソン牧師は館長を辞任、そして阿部志郎先生が館長に就任する。以来、阿部志郎先生は50年にわたり館長を務める。先生は衣笠病院グループの元理事長でもあった。

 阿部先生のもと、社会館は障害児保育、認知症高齢者支援、地域福祉センターなどを展開する複合福祉施設として発展する。阿部先生の理念は、「安心して子どもを生み育てられる社会」「違いを受け入れ、助け合う社会」「長寿を喜ぶ社会」「みんなで参加して共につくる社会」だ。

 阿部先生は今年99歳になられた。そのキリスト教福祉の理念と実践は今でも活きている。