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混沌たる15年~2025年ー2040年~


 「それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ」(エレミヤ書29章11節)

 この聖句はイスラエルの民がバビロン捕囚で苦しむ時代の先を予見した預言者エレミアの言葉だ。敗北と混とんの中に、平安と希望を見出す言葉だ。

 さて参議院選挙で自民が大敗し、国民民主と参政が躍進した。この先の日本はどうなるのだろう? 国難ともいうべきこの時代を乗り越えるにはどうしたらよいのだろうか?

 実は2025年から2040年にかけての15年間は人口学的にも日本は混乱の時期だ。75歳以上の後期高齢者、85歳以上の超後期高齢者が激増し、生産年齢人口が激減する。これは日本の人口遷移の最終局面だ。しかしこの混乱の嵐も2040年から2050年にかけておさまり、2050年以降は、人口は1億人を割り込むが、若者と年寄りの比率は恒常化し、人口学的には比較的安定した時代が訪れる。

 この15年間に起きることは、戦後最大の人口のボリュームゾーンである団塊の世代800万人が後期高齢者、超後期高齢者となり社会の重荷となること、そして支える生産年齢人口が1200万人も減少することだ。しかし2040年以降は高齢者人口も減り始め、2050年には人口は1億人以下となる。たしかに高齢化率は40%と高止まりするが、高齢者と若者の比率は一定となる時代が訪れる。

 人口1億人以下の国はヨーロッパ先進国では普通の国だ。ドイツ8千4百万人、イギリス6千9百万人、フランス6千8百万人だ。日本もこうしたG7の国々の仲間入りだ。

 しかし日本はそこに至るまでの15年間に、これまでの社会の仕組みを大きく変えていく必要がある。医療についても同じだ。このため数多くの改革プランが目白押しだ。2027年からは新たな地域医療構想がスタートする。2024年からは医師の働き方改革もすでにスタートしている。さらに2024年からスタートしている第8次医療計画、第9期介護保険事業計画も進行中だ。そして医師偏在対策の行方も気になる。さらに第4期の医療費適正化計画も進行している。それに加えてこれまで遅れがちだった医療・介護DXの工程表も2030年を目指して進むだろう。さらに新たなかかりつけ医機能と異次元の少子化対策の行方もある。

 こうした改革に道筋をつけていくのだこの15年間だ。こうした激動の時代を著したのがこの7月に発刊した拙著「2025-2040年、変わりゆく医療のアウトライン」(医学通信社)だ。是非本書を手にして次なる15年間を切り開いていこう。

 そしてその先の平安の2040年から2050年の日本を迎えられることを祈ろう。

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