
今年の夏は猛暑日の連続だ。そんな中、外来にかかりつけの50歳台の女性がやってきた。週末に熱中症から横紋筋融解症になったという。早速、電子カルテで受診した日のカルテを見た。血液検査値でクレアチニンキネース(CK)値が3桁にも跳ね上がっている。CKは横紋筋融解症のとき筋肉から逸脱する酵素だ。
暑い中、外出していたら、足が痛くなって歩けなくなったという。熱中症で筋肉が溶けたのだ!体温上昇が筋肉細胞を崩壊させる。
横紋筋融解には時々お目にかかる。一度は定期健診で検査をした若い男性のCKが突然上がっていた。「何をしたんですか?」と聞くと「空手の練習」だという。激しい運動でも筋肉細胞の崩壊で横紋筋融解が起きる。
またよく知られているのがコレステロール値を下げるため服用したスタチンで横紋筋融解の副作用が起きる。初めてスタチンを服用した患者さんに時々下肢痛を訴える患者さんがいる。これは薬剤性の横紋筋融解症だ。薬を変えて様子を見ることが多い。
さらにクラッシュ症候群といって災害時に建物下敷きになって筋肉が挫滅して起きることもある。こうした時は筋肉中のミオグロビンが大量に血中に流れ出て腎不全を起こすこともある。そうした場合には透析が必要になる。
それにしてもこの猛暑、熱中症には要注意だ。筋肉も溶かしてしまう。
