エッセーの投稿

おもしろ薬辞典⑰ おもしろ薬ネーミング


 薬のブランド名のネーミングもなかなか凝っている。アセトアミノフェンの商品名はカロナールだが、その由来は「痛みがかろな~る」だそうだ。米国ではタイレノールだが、名前の由来は化学式のN‑acetyl‑para‑aminophenolの中から語の一部を抜き出して組み合わせると Tylenolになる。見つけてみてください。ヨーロッパではパラセタモール(Paracetamol)と呼ばれている。これも化学式の中から一部を抜き出してつなぎ合わせて作った名前だ。でも日本の「痛みがかろな~る」のダジャレ・ネーミングほうが、よっぽどなじみやすい。

 こうしたダジャレともつかない商品名をつける名手が大阪の道修町にある小林製薬だ。小林製薬の代表的「おもしろネーミング」の一覧をあげておこう。

〇ダジャレ造語系(効能がそのまま名前に)

シビラック(痺れ+楽)、イララック(イライラ+楽)、コリホグス(コリ+ほぐす)、ズッキノン(ズキズキ+non)、ガスピタン(ガス+ピタン)、カゼピタン(風邪+ピタン)、ボーコレン(膀胱+漏れん)、オイルデル(オイル+出る)

〇 オノマトペ系(音で効能をイメージ)

のどぬ〜る(喉に塗る+オノマトペ)、熱さまシート(熱+冷ます+シート)、キズアワワ(傷+泡)、アッチQQ(熱い→アチッ+救急)、サカムケア(さかむけ+ケア)

〇生活系の命名(説明不要のわかりやすさ)

糸ようじ(歯間清掃具の代名詞に)、トイレその後に(用途が一瞬でわかる)、アンメルツヨコヨコ(横に塗る→ヨコヨコ)

 小林製薬はなぜこんなにユニークなネーミングが次から次へと出てくるのか?小林製薬の「名付けの流儀」は以下だ。全社員が毎月アイデアを出す(年間4万件)、日常の「困りごと」から名前が生まれる。100案以上から5案に絞り、社長も参加して決定、ネーミングを最重要視する文化がある。「あったらいいな」を形にする戦略、ニッチ市場を狙うため、名前で即効伝える必要に迫られてネーミングに注力しているという。

 大阪の道修町(どしょうまち)の製薬企業らしい発想だ。東京ではとてもこの発想はでてこない。

エッセーの更新履歴

最新10件