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タケプロンS


 8月1日にタケプロンSが発売された。普段、外来で処方しているランソプラゾールのスイッチOTCだ。SはスイッチのSだ。同時にオメプラゾールのスイッチOTCであるオメプラールSも発売された。そして6月にはパリエタールのスイッチOTC、パリエットSもすでに発売されている。これらはみなPPI(プロトンポンプ阻害剤)の仲間だ。胃酸を分泌する胃粘膜の壁細胞の胃酸分泌を抑える薬だ。

 これらPPIのスイッチOTC化を我々は以前から要望してきていた。しかしこれらのPPIのスイッチOTC化は、スイッチOTC化の是非を審議する厚労省の評価検討会議でなかなか承認されなかった。それがここへきて急に、承認されるようになってきた。

 理由は評価検討会議で緊急避妊薬(レボノルゲストレル)が承認されて8月に薬局でも手に入るようになったことが大きい。レボルノゲストレルの審議が評価検討会議でてこずって、なんと7年も時間がかかった。このおかげで他のスイッチOTCの審議が大幅に遅れたのだ。

 この重しが取り払われたのだ。これで堰を切ったようにスイッチOTCが続々と市場にでてくるだろう。厚労省は2026年度中に、現在2か国以上の先進諸国で承認されているスイッチOTC、約42成分の承認を目指している。現在、承認済のスイッチOTCは93成分、これに43成分が加われば、およそ140成分ものスイッチOTCが市場にでてくる。  

 さらにその先、生活習慣病薬のスイッチOTCを目指したいものだ。降圧剤アムロジピンのアムロジンS、高脂血症剤アトルバスタチンのリピトールSなどもいずれ出てくるだろう。著者が勤務する横須賀市の衣笠病院ではこれらアムロジピンやアトルバスタチンの単剤投与の90日間3回リフィルを実施中だ。90日間3回リフィルすなわち270日間を近隣の薬局の薬剤師さんとその効果検証を臨床試験で行っている。いまのところ何の問題もない。

 長期フィルで安全性を確かめた薬からスイッチOTC化してはどうだろう。そして生活習慣病薬のスイッチOTCについては医師と薬剤師による共同治療管理を行ってはどうだろう?

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