
聖リディア
一昨日の衣笠病院の朝の礼拝は大野チャプレンから、フィリピでパウロが出会った女性リディアの話を聞いた。使徒言行録の16章に登場する女性だ。フィリピは、現在のギリシャ北部に位置するマケドニア州の都市で、パウロが初めて宣教で訪れたヨーロッパの都市だ。
そこでパウロは紫布(しえ)を商うリディアに洗礼を授ける。ヨーロッパで最初に洗礼を行った婦人だ。
紫衣とは、古代から中世にかけて高貴な身分や特別な僧侶にのみ許された衣服で、紫色はその象徴だった。その紫布をそめる紫の色素は貝紫(かいむらさき)という染料だ。この貝紫と言う染料は天然のインジゴで、地中海沿岸の巻貝からほんの少ししか取れない。きわめて貴重な色素だった。その価値はほとんど金の価値と同じと言われた。だからこの色素を使った紫衣は「権威の証」だった。
こうした紫布を扱う裕福な商人だったリディアがキリスト教に出会い、心を開いてパウロを迎え、それ以来、ヨーロッパ初のキリスト教徒になる。このため東方正教会ではリディアは聖リディアとしてあがめられている。
