エッセーの投稿

2026年診療報酬改定と地域包括医療病棟


 2024年診療報酬改定で新設された「地域包括医療病棟」(以下、地メディ)が、2025年5月時点で153病棟、8495床となった(図表)。地メディは、高齢救急患者を受け入れ、患者にリハや栄養管理、入退院支援などを包括的に提供し、在宅復帰につなげる機能を評価した病棟だ。

 2026年診療報酬改定へむけて、この地メディの議論が、中医協の下部組織の入院外来分科会で6月から始まっている。まず地メディの患者像を見ていこう。入院患者で多いのは誤嚥性肺炎、尿路感染症、股関節・大腿近位骨折(手術なし)、心不全などである。

 次に地域包括医療病棟がどのような病棟から転換したのかを見ていこう。地メディは急性期一般入院料1(旧7対1)からの移行が最も多く、4割を占めていた。これは2024年診療報酬改定で、急性期一般入院料1の要件が、厳しくなったので、この要件を満たせない病棟が地メディに移行した。その次が急性期一般入院料4からが30%、急性期一般入院料2が10%、地域包括ケア病棟が10%と続いている。このように地メディは急性期病床からの機能転換の受け皿となっていた。

 地メディへ移行した病院に移行後の感想を聞くと、以下のようだ。「経営が安定した」、「実際の患者の状態に即した入院料だ」、「他の入院料の病棟と組み合わせることで、患者の状態に即した医療を提供できる」、「高齢者救急の受け入れが進んだ」、「高齢者の早期在宅復帰に貢献している」など概ね肯定的だ。

 一方、地メディの要件をクリアすることも大変なことが判った。クリアが難しい項目は「休日を含めすべての日にリハビリテーションを提供できる体制の整備」が55%、次いで「当該医療機関の一般病棟から転棟した者の割合が5%未満」が43%、「常勤のPT,OT,STの配置」が40%だった。

 次に地メディを有する病院の病床ケアミクス状況の違いを見てみよう。ケアミックスでは地メディと急性期一般入院料1~6とのケアミックスが約3分の2、地域包括ケア病棟とのケアミックスが半数以上だった(複数回答)。このうち急性期一般入院料とのケアミクスの方が、救急搬送受け入れ件数、救急機能や在宅等との連携機能に関連する加算の算定件数が多かった。また地メディを届けている施設のうち半数が、同一または隣接敷地内に訪問看護ステーションや居宅介護支援事業を有していた。地メディで入退院支援加算1を届け出ている施設での連携機関数は25~50施設が最も多く、そのうち10以上が介護保険施設であった。

 次の2026年改定では、地域包括医療病棟の施設要件の緩和や、病棟ケアミックスの違いによる加算の見直し、連携施設数に応じた加算の見直し等があるかもしれない。今後の中医協の議論に注目したい。