
眼科からときどき生活習慣病の患者さんが初診外来に紹介されてくる。あるとき虹彩炎の患者さんが眼科から立て続けに紹介されてきて、びっくりした。眼科で虹彩炎を指摘され、HbA1cを測定したら8以上あったという患者さんだ。みなさん虹彩炎と眼科で診断されるまで、糖尿病に気づかなかった患者さんばかりだ。
理由はこうだ。虹彩炎は眼の感染症の一種だ。糖尿病の患者さんは免疫能が落ちていて感染症を併発しやすい。このため眼科医は虹彩炎を見るとまずは血糖値・HbA1cをチェックする。このため虹彩炎で、血糖値・HbA1cが高く糖尿病疑いとして内科へ紹介という流れになるのだ。
次いで多いのが眼科で網膜中心性静脈閉塞と診断されて、高血圧治療目的でやってくる患者さんだ。網膜中心性静脈閉塞とは網膜の静脈がうっ滞して静脈血栓を作ることで起きる。網膜の静脈は動脈と伴走していることが多い。このため高血圧になると網膜の動脈の壁が動脈硬化で硬くなり、そばを走っている静脈を圧迫して、そこに血栓を作りやすくする。つまりは高血圧が原因で静脈血栓を作るというわけだ。このため高血圧の治療を行い、動脈がそれ以上、静脈を圧迫しないようにするというわけだ。
眼は極め付きの精密機械だ。ちょっとしたことで不具合を起こす。中でも糖尿病や高血圧などの生活習慣病がその不具合の原因となることが多い。
逆に、内科から糖尿病の患者さんの眼底チェックを眼科にお願いすることも多い。糖尿病性網膜症による失明が多いからだ。中途失明の第3位が糖尿病性網膜症でおよそ13%にも上る。ちなみに第1位は緑内障、第2位は網膜色素変性症だ。
眼科外来と内科外来の間で、生活習慣病の患者さんが頻繁に行き来する時代だ。眼は生活習慣病の窓と言ってもよい。
