
ドイツベルリンのバンガード社
ドイツにおいても2002年以降、R-SUDが活躍している。ドイツではロベルトコッホ研究所の「KRINKO勧告」の基準を満たす条件のもと、再製造品はオリジナル品と同等として取り扱われており、多くの病院でR-SUD再製造品を使用している。
われわれは2016年2月、ポーランド国境に近いベルリンのR-SUD工場をもつバンガード社(写真)を見学した。ドイツのR-SUD再製造の特徴はバンガード社のような再製造企業が各病院と契約を交わした上で、病院から出た使用済みのSUDを再製造した上で、また同じ病院に戻すという「医療機器修理モデル」として発達してきたことだ。このため単回使用品、複数回使用品に関わらず、また材料クラス分類に関わらずすべてを再製造の対象としている点に特徴がある。
なおKRINKO勧告は病院、再製造企業の両方に規定されているため、理論的には病院でもこの勧告を満たせばSUDの再製造を行える。しかしKRINKO勧告は極めて厳格なので、病院が単独でこの勧告を満たすことはできず、結局病院は再製造企業を利用することになる。
さてバンガード社はEU内の12か国でR-SUDの回収・販売・サービスを行っている。その売りは超音波カテーテルの再製造品でドイツ国内で50%近い市場シェアを占めていると言っていた。なおドイツではR-SUD再製造の販売認定はEUの「CEマーク」に準じているという。
真冬の雪雲が垂れ込めるベルリンの企業見学だった。