
最近、外来が忙しい。近くの病院が移転したため、移転した病院に通っていた患者が流れてくるようになって忙しくなった。あと衣笠病院に来て足掛け5年にもなったので、単純に外来通院患者数が積み重なって増えたこともある。午前中だけの外来だが、30人を超えることもある。
こうした中、外来終了間際に飛び込んでくる初診患者がやっかいだ。先日も眼科外来から糖尿病網膜症の初診の患者で糖尿病チェックの依頼の患者が来た。外来終了間際だけど、まだまだ電子カルテの画面には待ちの患者が多い。ちょっと不安な気持ちがしたが、患者さんには今日は血液検査だけにして、次の予約日を決めて帰すことにした。
そして午後からのオンライン会議で打ち合わせをしていたら、突然、検査科から携帯がなった。「先ほどの糖尿病の患者さんパニック値です。血糖が500を超えています」。「え~?!HbA1cはいくつ?」と聞き返すと「12.5です」と言う。慌ててオンライン会議を打ち切って、外来に「患者さんを呼び戻して」と電話した。
ときどき糖尿病の初診の患者さんにはこうした事が起きる。全く未治療で突然、他科から紹介で来るのだ。この前は整形外科から、足指の糖尿病性壊疽の患者さんが紹介されてきた。この方は治療中断でHbA1cがやはり12以上あった。痛みに耐えかねて整形受診をしたのだ。もう1年以上も糖尿病薬の服薬をしていなかった。
こういう患者さんは男性で40歳から50歳台の働き盛りの方に多い。みなさん痩せ型で「医者の言う事など聞いてられるか」と言う感じの方だ。我々は「糖尿病気質」と呼んでいる。糖尿病は生活習慣病と言うが、こう言う方をみると糖尿は「人生病」と言った方が良いと思う。生活習慣病と言うにはなまやさし過ぎる。こうした患者さんに接すると人生の深淵を覗いたような気がする。
全人医療とよく言うが、未熟な自分にはとても手に負えない。許してください。
