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自宅での転倒


 横須賀市にある衣笠病院グループの老健から、PTさんの訪問リハにときどき同行をしている。たいていの場合、患者宅にケアマネさんも来ていて、家族と一緒にサービス担当者会議になる。その会議の前に、患者さんに生活動線にしたがって屋内歩行をしてもらう。場合によっては庭や、玄関先の上がり降りや階段の昇降もしてもらう。ポイントは、立ち上がり動作、段差や階段の昇降、トイレ、お風呂での動作チェックだ。そして屋内での転倒リスク箇所の点検だ。

 先日も25段の玄関前階段があるお宅に、88歳の高齢女性を訪問した。自宅で転倒し、右大腿骨転子部骨折で入院し、退院まもなくの方だ。訪問して、まずは転倒の現場をチェックを行った。転んだのは寝室から居間に入ったところだ。居間の手すりを掴みそこねて転んだ。居間の手すりに体重をかけたとたん、手すりを掴みそこねてバランスを崩し、転倒して右腰を床にしたたか打ち付けた。2か月の入院をへて自宅へようやく戻ったところだ。入院前はなんとか自立歩行だったが、入院後は歩行器を使うようになった。でも歩行器で室内移動できるまで回復した。
 もともと何事にも前向きな方なので、歩行器を使って室内移動するまでに回復できた。実は自宅での転倒はこれで2回目。前回は居間で尻もちをついて恥骨骨折だった。でもこの2回の骨折から、なんとか立ち直った。歩行器で室内歩行をしたあと、PTさんやケマネさん、家族のみなさんと拍手を送った。

 自宅での転倒事故は多い。筑波大学の介護予防研究室による調査で、転倒は居間が最も多く、次いで階段、台所・食堂、玄関などが挙げられている。また東京消防庁のデータでも、やはり居間・寝室、玄関、階段・廊下、浴室が転倒リスクの高い場所として紹介されている。

 自宅での転倒防止のポイントは、やはり段差の解消だ。スロープや段差解消マットを使って、つまずきやすい場所をなくす。玄関、階段、浴室などに手すりの設置や、浴室や玄関マットの下に滑り止めを敷くのも効果的だ。あと照明の工夫も必要だ。足元が暗いと危険だ。センサーライトや明るい照明で視界を確保しよう。

 その他、通路を広く取り、コード類はまとめて整理する。屋内での歩行補助具の活用も必要だ。杖や歩行器を正しく使うことだ。

 訪問リハビリは患者さんの生活の場を見ることができる。そしてそのリハビリ効果や家屋改修の効果を目のあたりすることができる。

 PTさんと一緒に訪問する訪問リハには学びが多い。

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