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イクトゥス


 イクトゥスはギリシャ語で魚を意味する。魚はキリスト教や聖書と関係が深い。聖書に出てくる魚の逸話は多い。12人の使徒の4人が漁師だったことや、ペテロが魚の口から銀貨を見つけた話(マタイ17:24–27)、ヨナが大魚に飲み込まれて死にそうになった話、パンと魚の話など数多くある。また旧約聖書のサムエル記に登場するペリシテ人の神「ダゴン」は、魚の体を持つ神とされていて、魚に関連する神話的存在としても登場する。

 ちなみに、初期キリスト教では「魚(ギリシャ語でイクトゥス)」がイエス・キリストを象徴する記号として使われていた。

 理由は魚のイクトゥス(ἰχθύς, ichthys)のそれぞれの文字が以下を意味するからだ。

 Ι(イオータ)は Ἰησοῦς(Iēsous)でイエスのこと、Χ(キー)は Χριστός(Christos)でキリストのこと、Θ(セータ)は Θεοῦ(Theou)で神のこと、Υ(ユプシロン)はΥἱός(Huios)で子のこと、Σ(シグマ)は Σωτήρ(Sōtēr)で救い主のことだ。

 つまり、「イクトゥス」は 「イエス・キリスト、神の子、救い主」 という信仰の告白を表してる。キリスト教の初期、その迫害の時代、キリスト教徒たちはこの魚のシンボルを使って、こっそりと仲間同士を見分けたり、信仰を共有したりしていた。

 このキリスト教のシンボルマークは今でも車のステッカーとか教会のマークで見かけることがある。

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