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羊を右に、ヤギを左に


 衣笠病院の聖書クラスで、マタイによる福音書25章31~46節の「イエスが羊を右に、山羊を左に分ける場面」が話題になった。なぜ羊は右で、ヤギは左なのだろうか?

 これには右と左の象徴的な意味と、羊と山羊の性格が関係しているといわれる。

 聖書では「右」は神の祝福、力、栄光を象徴する位置だ。例えば、キリストが「神の右に座す」と表現されるように、右側は神に近い、栄誉ある場所とされる。

 そして羊が右に置かれたのには、羊の性質が関係している。羊は従順で温厚な性質を持ち、羊飼いに従う存在として描かれている。これは神に従う者、信仰に生きる者の象徴とされ、右に置かれることで「神の国を受け継ぐ者」として祝福される。

 一方、左は裁き・拒絶の象徴だ。聖書では「左」はしばしば裁きや拒絶、呪いの象徴として使われている。左に置かれた者たちは「悪魔とその使いたちのために用意された永遠の火」に入るとされ、神から離れた存在とみなされている。

 山羊が左に置かれたのは、その性質が関係している。山羊は羊に比べて気性が荒く、自己中心的で攻撃的な性質を持つとされる。これは神に従わず、愛の行いを欠いた者の象徴として使われている。

 確かに羊はひと塊になって草をはむが、山羊は山に駆け上がる。対照的な性格だ。一方では、羊と山羊は外見はよく似ている。見分け方はツノだ。羊のツノはうずまき状だ。一方山羊のツノはまっすぐだ。そして山羊にはひげがあるが、羊にはない。山羊にはしっぽが目立つが、羊のしっぽは短い。

 ちなみに議会における右派と左派はフランス革命の議会で、議長席からみて右に保守派が座り、左に改革派が座ったことに由来する。この右と左は聖書の羊と山羊とは関係ないのでご注意を!

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