エッセーの投稿

70代は神様から与えられた特別な時間


 最近、作家の林真理子さんのエッセイ集の中に出てくる次の言葉が頭をよぎる。

「80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間」。

 後期高齢者になって、この言葉の意味が分かるようになった。確かに「ひとにとって70歳代は神様の贈り物」だ。

 人生の中でようやく自分で使える豊かな時間と、家内と静かに暮らす日常、そして衣笠病院グループの朝の礼拝や病院の外来や老健での高齢の皆さんと話す何気ない会話のひとつひとつが、神さまからの贈り物・・・と言う気がする。

 とくに高齢の患者さんとの会話って、時にユーモアがあって、時に人生の深みが潜んでいて、そのやりとりが楽しい。

 また聖書の勉強会も面白い。今週の聖書の勉強会でも新しい学びがあった。衣笠病院グループの創立の精神である「飢えた者に食事を、裸の者に衣を、宿のない者に住まいを」というマタイの言葉(マタイ25章)——それが、イザヤ書58章の「飢えた者にパンを分け与え、さすらう貧しい者を家に迎え入れ…」という預言の流れから来ているなんて知らなかった。こうした発見も楽しい。

 後期高齢者になってみて、こうした日常の一つ一つの出来事がすべて「神からの贈り物」とすなおに受け入れられるようになった。これこそが70代と言う特別な時間の賜物なのかもしれない。

「天(あま)が下のすべての事には季節(とき)があり、すべてのわざには時がある」(コヘレトの言葉:第3章1節)のだとつくづく思う。