
聖書では利子を禁じていた。特に旧約聖書では貧しい者への利子付き貸し付けを禁じる記述が繰り返されている。たとえば、申命記23:20では「同胞には利子を付けて貸してはならない。銀の利子も、食物の利子も、その他利子が付くいかなるものの利子も付けてはならない」。レビ記25:36–37では「彼から利子も利息も取ってはならない。あなたの神を恐れ、あなたの兄弟をあなたと共に生きながらえさせなければならない」。出エジプト記22:25では「貧しい者に金を貸す時は、これに対して金貸しのようになってはならない。利子を取ってはならない」など。
ところが16世紀の宗教改革者のカルヴァンはこの利子を容認した。このカルバンの思想が広がったスイス、オランダ、イギリスでは、金融活動や商業の発展が促された。そのもう一つの原因が16世紀から始まった大航海時代だ。ヨーロッパでは新しい貿易ルートの開拓や植民地経営に莫大な資金が必要になった。船を造る、乗組員を雇う、物資を積むなど、どれにもお金がかかる。その資金を集めるには、投資や融資が不可欠だった。
しかしカトリックの伝統的な教えでは利子を取ることが「不道徳」とされていた。そこに登場したのがカルヴァンだった。彼は、経済活動の合理性と信仰の倫理を両立させる道を示した。利子を取ること自体ではなく、その使い方や目的が重要だとした。
さらにカルヴァンは、「神に選ばれた者は職業において成功する」という予定説を広めた。これによって蓄財や商業的成功が信仰の証とみなされるようになったのだ。
聖書の利子の解禁が、これらカルバン派が影響を持った国々に資本主義の開花をもたらした。マックス・ウェーバーの「プロテスタンテイズムの倫理と資本主義の精神」の世界だ。
