
漢方薬が苦手だ。高校のとき「漢文」が苦手だったこともあって、漢字の読み方がわからない。
忙しい外来のなか、転居してきた新患さんの処方の中に「牛車腎気丸」が出てきた。この漢方を電カルの処方らんに入力しようとして困った。電カルの処方入力は最初の三文字入力だ。このため最初の「牛」を「ぎゅう」と入力しても全然出てこない。しょうがないので薬剤部の薬剤師さんに電話で聞いて見た。「牛車(ぎゅうしゃ)って何て読むの?」、「あ!それは『ごしゃ』です」。「え~なんで牛車がごしゃなの?午だったら『ご』だけど・・・」と言うと、「『ごしゃじんきがん』は 『ごしゃ』です」と言われて電話を切られてしまった。
なるほど「ごしゃ」と入力したらたちどころに出てきた。医学部の授業の中で漢方の名前の読み方は習わなかった。
牛と午の読み方は以下だ。牛を「ご」と読むのは極めて特殊な読み方だ。「牛黄」も「ぎゅうおう」ではなく「ごおう」と読む。一方、「午」は「うま」のことだ。午は干支ではうま年で、方角では南のことだ。午前、午後がその例だ。
漢方薬の名称には、中国古典医学の文献に由来するものが多く、日本語の一般的な音読み・訓読みとは異なる読み方をする。 「牛車腎気丸」は中国の古典『済生方』に由来する処方で、そこでは「牛車」を「ごしゃ」と読んでいたとされる。
ちなみに牛車腎気丸は高齢者や体力が低下した方に使われる代表的な漢方薬のひとつだ。
さいごに胃腸薬の漢方の覚え方をあげておく。それは安中人参平胃六君(あんかなにんじんへいいりっくん)だ。安中散、人参湯、平胃酸、六君子湯のことだ。
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