エッセーの投稿

哀歌


 今日8月15日は終戦記念日。衣笠病院の朝の礼拝で赤松牧師が選んだ聖句は「哀歌」(旧約聖書第3章の20節から33節)だ。「苦渋と欠乏の中で貧しくさすらったときのこと」を思い出しつつ、その中から生まれる「希望」に焦点を当てる。特に、神の慈しみ、忠実さ、悔い改めの必要性が繰り返し語られている。

 「哀歌」の背景は、南ユダ王国がバビロンに包囲され、エルサレムが陥落した紀元前586年の出来事だ。神殿が破壊され、多くのイスラエルの民がバビロン捕囚として連れ去られて行くという悲劇の出来事だ。「哀歌」はこの悲劇をうたっている。

 「哀歌」はヘブライ語で אֵיכָה (エーハー)と書く。「ああ、なんということか」という感嘆の意味が込められていて、「哀歌」の第1章の冒頭部分にも使われている表現でもある。さらに、「哀歌」には詩的な表現が多用されている。悲しみを伝えるだけでなく、暗唱しやすいように工夫されたアルファベット詩が特徴だ。

 「哀歌」の第1章から第4章までは、ヘブライ文字のアルファベット順に詩が展開されている! 各節の冒頭がヘブライ文字のアルファベットの順番に対応している。特に第3章はさらに工夫があって、各アルファベットごとに3節ずつ書かれているという凝った形式だ。ちょっとした「いろは歌」のような感じだ。

 この哀歌の詩的な美しさは、終戦記念日の聖句としてはふさわしいだろう。

エッセーの更新履歴

最新10件