
トローチに穴があいてる理由をご存じだろうか?
風邪ののどの痛みのとき、よく患者さんがトローチを希望する。このトローチには真ん中に穴が開いている。その理由は子供が間違って飲み込んでのどに詰まっても、息が穴を通じでできるようにという窒息防止用の穴だ。
子供は何でも飲み込む。ボタン型の電池、おはじき玉などだ。大人も飲み込む。いちど差し歯を飲み込んだと言う患者さんが外来にやってきた。レントゲンをとると胃の中に差し歯がくっきりと写っていた。値段の高かった差し歯なので、便から回収すると患者さんは言っていた。あと精神科の入院患者さんで腕時計を飲み込んだ人がいた。内視鏡でみると胃の中で腕時計が動いていた。これで「腹時計」と言う言葉の本当の意味が分かった。
薬でもヘンな薬がある。その代表例が人の糞便や人尿を乾燥させて作った漢方である。それが人中黄(じんちゅうおう)だ。人中黄は健康なひとの便を発酵させて作るという伝統的な漢方だ。人中黄の効能は解毒・消炎・解熱などとされる。でもなかなか飲む勇気がわかない。このため現在では人中黄はほとんど使われておらず、代替品で牛黄(ごおう)という牛の胆汁からつくられた漢方が用いられている。
薬のネーミングでもおかしな名前のクスリがある。著者のような戦後生まれの団塊世代はよく知っている「ヒロポン」と言う名の覚せい剤である。成分はメタアンフェタミンだ。このヒロポンの由来は「疲労がポンと治る」からだと聞かされてきた。戦後の薬物依存の代表がこのヒロポン中毒だった。
